2022.04.20
子宮頸がん予防ワクチン(ガーダシル、シルガード9)接種・キャッチアップ接種について
お知らせ
個別勧奨の実施について
2021年11月26日付の厚生労働省の通知により、これまで差し控えられていた子宮頸がん予防ワクチンの定期予防接種の個別勧奨の再開が決定されました。福岡市から、2022年3月下旬に、対象者の方へ案内と予診票が送付されております。
子宮頸がんワクチンの救済接種(キャッチアップ接種)について
厚生労働省は2021年11月12日に今後、子宮頸がん予防ワクチン接種を積極的にすすめる方針を決めました。現在、公費で接種ができるのは小6~高校1年生相当までの女子が対象です。しかし、今まで接種機会を逃していた高校生や大学生相当の女性にも公費による接種 (キャッチアップ接種) が可能となる見込みです。対象は、1997年度生まれから2005年度生まれまでの全ての女性です。2022年4月から3年間の期間限定でキャッチアップ接種が始まりました。子宮頸がんワクチンの接種機会を様々な理由で逃していた方々は是非この機会に接種をご検討ください。
対象者
1997年4月2日~2006年4月1日生まれまでの女子
※2022年度に17~25歳になる方
※2022年4月1日時点で福岡市に住民登録がある対象者の方(福岡市で3回目の定期接種を受けられたことが確認できた方を除く)に2022年4月中旬に福岡市より案内が送付されております。
子宮頸がん予防ワクチンの任意接種費用の払い戻しについて
子宮頸がん予防ワクチンの積極的勧奨の差し控えにより、定期接種の機会を逃した方(キャッチアップ接種対象者)が、定期接種の年齢(小学6年生~高校1年生相当)を過ぎて、任意接種として自費で接種した場合、福岡市が定める上限額の範囲内で払い戻しがおこなわれます。
払い戻しの対象者
2022年4月1日時点で福岡市に住民登録がある子宮頸がん予防ワクチンのキャッチアップ接種対象者(1997年4月2日から2005年4月1日までの間に生まれた女子)のうち、定期接種を受けておらず、定期接種の対象年齢(小学6年生~高校1年生相当)を過ぎて、2価ワクチン(サーバリックス)又は4価ワクチン(ガーダシル)を2022年3月31日までに自費で受けた方。
※定期接種の対象となっていない9価ワクチンについては対象外です。
※17歳となる日の属する年度以降に自費で接種したものが対象となります。
詳しくは下記ホームページをご確認ください。
子宮頸がん予防ワクチンの任意接種費用の払い戻しについて
ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸がん予防ワクチン
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。
最近の大規模な研究によりHPV感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)について2つのことが明らかになりました。
①HPVワクチンが、前がん病変(がんになる前の組織変化)を予防することは明らかになっていましたが、子宮頸がんそのものを予防するという結果が発表されました。特に17歳までに接種した方が効果が高いこともわかりました。
②これまで心配されていた有害事象とHPVワクチンとの関連性が低いことが示されました。
HPVワクチンは、小学校6年~高校1年相当の女子(標準的な接種時期:中学1年生相当の年齢の女子)を対象に、定期接種が行われています。対象年齢を過ぎますと有料になりますのでご注意ください。
接種について迷われている方、接種をご希望の方はお気軽にご相談ください。
現在、定期接種で接種することができるワクチンは、「サーバリックス(2価HPVワクチン)」と「ガーダシル(4価HPVワクチン)」の2つですが、サーバリックスの出荷量調整がおこなわれており、現在はガーダシルのみ接種可能です。
HPVについては、「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」でわかりやすくまとめられています。
https://minpapi.jp/
2020/1/14追記
2020年12月、HPVワクチンのガーダシルの適応が、男性にも拡大されました。
HPVは子宮頸がん以外にも、中咽頭がんや肛門がん、陰茎がんなど男女を問わず様々ながんの原因になります。
現在のところ公費負担を受けられるのは女性だけで、男性は任意接種となります。
2021/3/1追記
これまで輸入ワクチンに頼らざるを得なかった9価HPVワクチンが、2021年2月24日に「シルガード9」として発売されました。
ガーダシルが対応している4つの型に加え、5つの型(HPV31、33、45、52、58型)に対応しており、子宮頸がんの原因となるHPV型の約90%をカバーできるようになりました。4価ワクチンと比較した国際共同臨床試験では、ガーダシルによる予防効果に加え、新たに追加された5つのHPV型に関連した腫瘍発生率を96.7%減少させました。
副反応は4価ワクチンと同程度で、海外と日本人集団での差も見られませんでした。
現在のところ、任意接種となりますが、定期接種を逃してしまった方や、より有効性の高いワクチンをご希望の方には選択肢としてご検討いただければと思います。接種についてご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。
「シルガード9」の接種対象者
- 9歳以上の女性
- 男性は、接種対象外となっています。輸入ワクチンで対応可能ですので、ご相談ください。
- 熱がある方や妊婦、授乳中、高齢者も接種対象外となっています。
- すでに4価ワクチン(ガーダシル)の接種を完了した方でも、接種することは可能です。
「シルガード9」のスケジュール
- 3回接種です。
- 2回目は初回接種から2か月後、3回目は初回接種から6か月後です。
「シルガード9」の接種にあたってご注意いただきたいこと
- シルガード9の接種にあたっては、接種される方ご自身で「ワクチンQダイアリー」というシステムに登録していただく必要があります。登録にあたって「スマートフォンまたはタブレット端末」と「E mailアドレス」が必須となります。お手数をおかけしますが、全例登録が義務づけられておりますので、ご了承ください。
- 初回の接種時に登録方法についてご説明いたしますので、来院時に「スマートフォンまたはタブレット端末」をお持ちください。
- 他の製品、たとえばガーダシルやサーバリックスの接種を開始されている方が、途中からシルガード9へ変更することはできません。
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/20526/